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森の木 読解プリント(意見文・500字→800字→1200字)

同じ種類の木がならぶ林と、いろいろな木が混ざった林をくらべて、「そろえるほうが効率がよく公平だ」という一般論を問い直す意見文です。違いがあるから全体が変化に耐えられる、という主張を、病気や虫の例とつなげて読みましょう。

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一(500字)

山を歩くと、同じ種類の木がきれいに並んだ林と、いろいろな木が入り混じった林がある。前のほうは、人が植えて育てた林であることが多い。後のほうは、自然に育った林であることが多い。この二つのうち、どちらが「強い林」なのだろうか。

一般的に、同じにそろえるほうが効率がよく、公平だと考えられている。同じ木をそろえて植えれば、育ち方がそろい、手入れもしやすい。切り出すときも、同じ大きさの木がまとめて取れる。林を育てる側から見れば、そろっているほうがむだがない。

ところが、違いがあるから、全体が変化に耐えられる。同じ木ばかりだと、一つの病気、一つの変化で、全部がだめになる。その木だけをからす病気や虫が入ってくれば、林は一度に枯れてしまう。いっぽう、いろいろな木が混ざった林なら、その木が枯れても、ほかの木は残る。風に弱い木がたおれても、風に強い木が林を支える。違いが、林全体の命づなになるのである。

このように、そろった林は、一見きれいで効率がよい。けれども、変化に強いのは、違う木が混ざった林のほうだ。違いは、むだではなく、生き残るための備えなのである。そろえることで手に入る効率の裏で、林は変化への備えを失っているのだ。

課題

  1. 筆者の主張を一文で書こう。
  2. 一般論の段落は何段落目?(  )段落目

二(800字)

山を歩くと、同じ種類の木がきれいに並んだ林と、いろいろな木が入り混じった林がある。前のほうは、人が植えて育てた林であることが多い。後のほうは、自然に育った林であることが多い。この二つのうち、どちらが「強い林」なのだろうか。

一般的に、同じにそろえるほうが効率がよく、公平だと考えられている。同じ木をそろえて植えれば、育ち方がそろい、手入れもしやすい。切り出すときも、同じ大きさの木がまとめて取れる。林を育てる側から見れば、そろっているほうがむだがない。

ところが、違いがあるから、全体が変化に耐えられる。同じ木ばかりだと、一つの病気、一つの変化で、全部がだめになる。その木だけをからす病気や虫が入ってくれば、林は一度に枯れてしまう。いっぽう、いろいろな木が混ざった林なら、ある木が枯れても、ほかの木は残る。風に弱い木がたおれても、風に強い木が林を支える。違いが、林全体の命づなになるのである。

たとえば、松だけを植えた林がある。松には、松だけを枯らす虫の害がある。松くい虫とよばれる害で、これが入ると、松は一本、また一本と枯れていく。林が松ばかりであれば、虫はとなりの松へ、そのまたとなりの松へと、どこまでも広がっていける。同じ木がすき間なく並んでいることは、虫から見れば、えさがどこまでも続いているということでもある。気がつけば、林の全部が茶色く枯れてしまう。ところが、松のあいだに、くぬぎやならといった別の木が混ざっていれば、話はちがう。虫は松しか枯らせないから、松の少ない林では広がりにくい。松が枯れた場所も、ほかの木が残って、林は林のまま続いていく。違う木が混ざっていることが、林を守る壁になっているのである。

だから、そろった林が一見きれいで効率がよいとしても、変化に強いのは、違う木が混ざった林のほうだ。そろえることで手に入る効率の裏で、林は変化への備えを失っている。違いは、むだではなく、生き残るための備えなのである。

課題

  1. 筆者の主張を一文で書こう。
  2. 一般論の段落は何段落目?(  )段落目

三(1200字)

山を歩くと、同じ種類の木が整然と並んだ林と、さまざまな木が入り混じった林とがある。前者は、人が植えて育てた林であることが多く、後者は、自然に育った林であることが多い。この二つのうち、どちらが「強い林」なのだろうか。

一般的に、同じにそろえるほうが効率がよく、公平だと考えられている。同じ木をそろえて植えれば、成長の速さがそろい、手入れも容易になる。切り出すときも、同じ大きさの木がまとめて得られる。林を育てる側から見れば、均一にそろっているほうが無駄がないのである。

ところが、違いがあるから、全体が変化に耐えられる。同じ木ばかりだと、一つの病気、一つの変化で、全部がだめになる。その木だけを枯らす病気や虫が侵入すれば、林は一度に枯れてしまう。これに対して、さまざまな木が混ざった林なら、ある木が枯れても、ほかの木は残る。効率のよさと、変化への強さは、別のものである。そろった林が失っているのは、違いという備えなのだ。

松だけが植えられた林。松には、松だけを枯らす虫の害がある。松くい虫とよばれる被害で、これが入ると、松は一本、また一本と枯れていく。林が松ばかりであれば、虫はとなりの松へ、そのまたとなりの松へと、どこまでも広がっていける。同じ木がすき間なく並んでいることは、虫から見れば、えさがどこまでも続いているということでもある。気がつけば、林の全体が茶色く枯れてしまう。ところが、松のあいだに、くぬぎやならといった別の木が混ざっていれば、事情は異なる。虫は松しか枯らせないから、松の少ない林では広がりにくい。松が枯れた場所も、ほかの木が残り、林は林のまま存続する。違う木が混在していることが、林を守る壁となっているのである。

また、同じ種類の木ばかりの林は、強い風や大雪にも弱い。同じ種類の木を同じ時期に植えた林は、高さも太さも根の深さも、ほぼ均一である。そのため、ある強さの風がふくと、どの木も同じように耐えきれず、一斉になぎ倒されやすい。一本一本が、同じ弱点を共有しているからである。これに対して、高い木と低い木、根の深い木と浅い木とが混在する林では、風の受け方がそれぞれ異なる。高い木が風を弱め、低い木が土をおさえ、たおれた木があっても、周囲の木がすき間をうめていく。全体として、林は形を変えながら残りつづける。均質な林は一つの弱点で全体がくずれるが、多様な林は、一部を失っても全体は保たれるのである。

そろった林は、一見美しく効率がよい。木材を得るという目的に限れば、そろった林のほうが合理的であることを否定はしない。けれども、病気や風雪といった変化に強いのは、違う木が混ざった林のほうである。違いは、無駄ではなく、生き残るための備えなのだ。次に山を歩くとき、きれいに並んだ林と入り混じった林とが、少しちがって見えてくるだろう。

課題

  1. 筆者の主張を一文で書こう。
  2. 一般論の段落は何段落目?(  )段落目

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