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中学受験 国語 読解プリント|物語文(気持ちの変化)16本・PDF

主人公の気持ちが、あるきっかけで変わる物語文の読解プリントです。入試によく出る「不安→安心」「反発→理解」「さびしさ→受け入れる」など8つの型を、題材2つずつ、約1000字で書きました(16本・無料PDF)。気持ちの変化と、きっかけの一文を書く課題欄つき。

16本をPDFで印刷

PDFはA4横・縦書き(33枚・1.0MB)。先頭に目次があり、各本文は新しい紙から始まって、すぐあとに課題欄がつきます。見出しは題材の名前だけで、型の名前は書いていません。

物語文はどう読むか

入試の物語文の問いは、ほとんどが「このときの気持ち」「なぜそう感じたか」「気持ちが変わったきっかけ」の三つに集まります。だから物語は、気持ちA → きっかけ → 気持ちB の形で読みます。

  1. はじめの気持ち(気持ちA) 主人公が最初にかかえている気持ち。転校初日の朝なら、緊張や不安。
  2. きっかけ だれかの一言、自分で気づいたこと、出来事、見つけた物。気持ちが変わる場面には、たいてい会話か行動がある。
  3. おわりの気持ち(気持ちB) きっかけのあとの気持ち。前向きになるとはかぎらない。別れの話は「受け入れる」で止まる。

気持ちは、言葉で書かれるとはかぎりません。うつむく、早足になる、手がつめたいといった行動や体の様子、雨が上がる、夕日がさすといった景色にも表れます。このプリントの物語は、気持ちを言葉で書いたところと、行動や景色だけで示したところが、半分ずつ入っています。

子どもに教える一言
「主人公は、最初の気持ちのまま終わらない」。選択肢で「最初の気持ちのまま」を選んだら、それはまちがい。はじめとおわりで何が変わったかを、まず一行で言えるようにします。

入試によく出る変化の型(8つ)

気持ちの変化きっかけ場面
不安 → 安心人の一言新しい場所
くやしさ → 前向き自分での気づき負け・失敗
反発 → 理解出来事と気づき大人への反発
うらやましさ → 自分を認める人の一言人と比べる
後ろめたさ → すっきり自分の行動(あやまる)かくしごと
さびしさ → 受け入れる時間の流れと思い出の物別れ
誤解 → 感謝発見相手の本心を知る
あこがれ → それでも出来事(きびしさを知る)夢

使い方

サンプル:転校初日(約1000字)

束の中の1本を、そのまま横書きで載せています。PDFでは縦書きで、本文のすぐあとに課題欄(マス目や線)がつきます。

転校一日目の朝、わたしは先生のあとについて、長いろうかを歩いた。前の学校よりも、ろうかがずっと長く感じられた。教室の前を通るたびに、中から知らない子たちの声が聞こえてくる。わたしは何度も、自己紹介じこしょうかいで言うことを頭の中でくり返した。

「ここが、ゆいさんのクラスよ」

先生が戸を開けると、知らない顔がいっせいにこちらを向いた。わたしはスカートのすそを、ぎゅっとにぎりしめた。

「今日からこのクラスの仲間になる、ゆいさんです」

先生にうながされて、わたしは黒板の前に出た。三十いくつの目が、じっとわたしを見ている。顔が熱くなって、ひざが少しふるえた。わたしは緊張きんちょうで、先生の声もよく聞こえなかった。

「……ゆいです。よろしくおねがいします」

好きな本のことも、飼っているねこのことも、話すつもりで用意してきた。けれども、声がのどのおくでつかえて、それ以上は出てこなかった。小さな拍手はくしゅの中、わたしは下を向いたまま、教えられた席についた。となりの席の女の子が、ちらりとこちらを見た。

昼休みになると、みんなは校庭へ出ていった。わたしは席にすわったまま、心細くてたまらなかった。校庭からは、楽しそうな声が聞こえてくる。前の学校なら、今ごろは図書室で友だちと本の話をしている時間だ。ノートを開いて何かを書くふりをしても、えんぴつの先は同じところをなぞるばかりだった。

足音がして、となりの席のみおがもどってきた。朝、こちらを見ていた子だ。名札には、みお、と書いてある。

「ゆいちゃん、ドッジボール、一人足りないの。いっしょにやらない」

わたしは顔を上げたが、すぐには声が出なかった。

「……わたし、ボール、あんまりうまくないよ」

「だいじょうぶ。わたしだって、すぐ当てられるもん。わたしもね、三年生のとき、この学校に転校してきたの。最初の日、ずっと自分の席にいて、だれかに声をかけてほしかったんだ」

みおは、ほおを少し赤くして笑った。

胸の中で固まっていたものが、すっとほどけていった。みおも、わたしと同じ昼休みをすごしたことがあったのだ。うれしいのに、前の学校の友だちの顔が急にうかんで、目のおくが熱くなった。わたしはあわてて、まばたきをした。

「行く」

ノートを閉じて立ち上がると、窓の外で雲の切れ間から日がさして、校庭の白い線が光って見えた。わたしはみおのあとを追って、階段をかけおりた。下から、みんなの声が近づいてきた。

課題

  1. 気持ちの変化:はじめ(  )→ きっかけ(  )→ おわり(  )
  2. きっかけになった一文を書きぬこう。

本文の一覧(16本)

数字は字数。

回題材字数
1転校初日989
2リレーで抜かれた1014
3母の小言と弁当957
4絵がうまい友だち976
5割った花びん1003
6親友の転校1023
7ぶっきらぼうな父965
8兄の部活977
9初めての塾のクラス1035
10ピアノの発表会でまちがえた995
11厳しいコーチ960
12兄の成績961
13友だちをかばえなかった983
14祖父の死1008
15無口な祖母950
16姉の受験勉強969

答え合わせの目安

気持ちの変化の型(課題一)を見る
  • 第1回 転校初日 不安 → 安心(きっかけ:人の一言)
  • 第2回 リレーで抜かれた くやしさ → 前向き(きっかけ:自分での気づき)
  • 第3回 母の小言と弁当 反発 → 理解(きっかけ:出来事と気づき)
  • 第4回 絵がうまい友だち うらやましさ → 自分を認める(きっかけ:人の一言)
  • 第5回 割った花びん 後ろめたさ → すっきり(きっかけ:自分の行動(あやまる))
  • 第6回 親友の転校 さびしさ → 受け入れる(きっかけ:時間の流れと思い出の物)
  • 第7回 ぶっきらぼうな父 誤解 → 感謝(きっかけ:発見)
  • 第8回 兄の部活 あこがれ → それでも(きっかけ:出来事(きびしさを知る))
  • 第9回 初めての塾のクラス 不安 → 安心(きっかけ:人の一言)
  • 第10回 ピアノの発表会でまちがえた くやしさ → 前向き(きっかけ:自分での気づき)
  • 第11回 厳しいコーチ 反発 → 理解(きっかけ:出来事と気づき)
  • 第12回 兄の成績 うらやましさ → 自分を認める(きっかけ:人の一言)
  • 第13回 友だちをかばえなかった 後ろめたさ → すっきり(きっかけ:自分の行動(あやまる))
  • 第14回 祖父の死 さびしさ → 受け入れる(きっかけ:時間の流れと思い出の物)
  • 第15回 無口な祖母 誤解 → 感謝(きっかけ:発見)
  • 第16回 姉の受験勉強 あこがれ → それでも(きっかけ:出来事(きびしさを知る))

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