人とAIを、目的や意味を決める力と速さ・記憶という得意なこと、間違え方、学び方で比べます。AIが遠足のしおりを作る具体例が、どちらの何を説明しているのかを確かめながら読みましょう。
AI(人工知能)とは、コンピューターに、人が考えるような働きをさせるしくみだ。文章を書いたり、質問に答えたりできる。人とAIは、どちらも「考える」ように見える。
人が得意なのは、目的や意味を決めることだ。「これは何のためか」を考え、何をしたいのかを自分で決める。読んだ文章の意味を、自分の経験と結びつけて理解することもできる。まちがい方はどうか。人は、ねむかったり、あわてたり、思いこんだりしてまちがえる。計算をとばしたり、字を読みちがえたりする。しかし、まちがえたあとで「何かおかしい」と気づき、自分で直すことができる。
AIでは、話がちがってくる。AIが得意なのは、速さと記憶だ。何万ページもの文章を一瞬で読み、計算を速く正確に行い、一度覚えたことは忘れない。ただし、何のためにするのかは自分では決めず、人が与えた目的に従って働く。次に、AIは、つかれることがなく、同じ問題には同じ答えを出す。しかし、学んだ材料にまちがいがあると、そのまま自信をもって答えてしまい、正しいかどうかを自分で確かめることはむずかしい。
人は、何のためにするのかを決める。AIは、決められたことを速く正確にこなす。
課題
AI(人工知能)という言葉をよく聞くようになった。AIは、コンピューターに、人が考えるような働きをさせるしくみだ。文章を書いたり、絵をかいたり、質問に答えたりできる。
人が得意なのは、目的や意味を決めることだ。「なぜこれをするのか」「これは何のためか」を考え、何をしたいのかを自分で決める。読んだ文章の意味を自分の経験と結びつけて理解し、相手の気持ちをくみ取ることもできる。人は、ねむかったり、あわてたり、思いこんだりしてまちがえる。計算をとばしたり、字を読みちがえたりする。しかし、まちがえたあとで「何かおかしい」と気づき、自分で直すことができる。学び方はどうか。少ない例からでも学ぶことができる。犬を二、三回見れば犬がわかるようになり、一度自転車で転べば次は気をつける。体を使った体験や、先生や友だちとのやりとり、失敗したときのくやしさなど、いろいろなものから学ぶ。
算数の宿題で、答えが出たあとに「この数は大きすぎる」と感じて見直す。すると、くり上がりのまちがいに気づく。自転車の練習では、一度転んだ角を、次からはゆっくり曲がるようになる。そして「なぜ練習するのか」といえば、友だちと公園へ行きたいからだ、というように、目的は自分の中にある。
AIが得意なのは、速さと記憶だ。何万ページもの文章を一瞬で読み、計算を人より速く正確に行い、一度覚えたことは忘れない。ただし、何のためにそれをするのかは、AIは自分では決めない。人が与えた目的に従って働く。さらに、AIは、つかれることがなく、同じ問題には同じ答えを出す。しかし、学んだ材料にかたよりやまちがいがあると、そのまま自信をもって答えてしまう。見た目はもっともらしいのに中身がまちがっている答えを出すことがあり、それが正しいかどうかを自分で確かめることはむずかしい。学び方は、とても多くの例から学ぶ。犬をわかるためには何万枚もの犬の写真を見る必要があり、文章を書けるようになるには何億という文を読む。体を持たないので、文字や画像、数字の形になったものだけから学ぶ。
たとえば、家のタブレットのAIに「来週の遠足のしおりを作って」とたのむと、ほんの数秒で、持ち物や注意の文が整った形で出てくる。しかし、去年の日付のまま書かれていたり、行き先の名前がまちがっていたりすることがある。AIは、だれと行くのかも、何を楽しみにしているのかも知らない。何のためかを知らないまま、たのまれた形の文章を、読んだ大量の文章の形に合わせて作っているのである。
課題
AI(人工知能)という語を頻繁に耳にするようになった。AIとは、コンピューターに、人間が思考するような働きをさせる仕組みである。文章を作成し、絵を描き、質問に応答することができる。
人間が得意とするのは、目的や意味を定めることである。「なぜこれを行うのか」「これは何のためか」を考察し、何をしたいのかを自ら決定する。読んだ文章の意味を自身の経験と結びつけて理解し、相手の感情をくみ取ることもできる。人間は、眠気や焦り、思い込みによって誤る。計算を飛ばしたり、文字を読み違えたりする。しかし、誤った後に「何かおかしい」と気づき、自ら修正することができる。学習の方法はどうか。少数の事例からでも学習できる。犬を二、三回見れば犬を識別できるようになり、一度自転車で転倒すれば次は注意する。身体を用いた体験や、教師や友人との対話、失敗した際の悔しさなど、多様なものから学習する。
たとえば、算数の宿題で、答えが出た後に「この数は大きすぎる」と感じて見直し、繰り上がりの誤りに気づくことがある。自転車の練習では、一度転倒した角を、次からは減速して曲がるようになる。そして「なぜ練習するのか」といえば、友人と公園へ行きたいからだ、というように、目的は自己の内部にある。
一方、AIが得意とするのは、速度と記憶である。数万ページの文章を瞬時に読み、計算を人間より迅速かつ正確に実行し、一度記憶したことは忘却しない。ただし、何のためにそれを行うのかは自ら決定せず、人間が与えた目的に従って作動する。AIは、疲労することがなく、同一の問題には同一の答えを出す。しかし、学習した材料に偏りや誤りが含まれていれば、そのまま確信をもって答えてしまう。もっともらしい外見で誤った答えを出すことがあり、正しいか否かを自ら検証することは困難である。学習の方法は、膨大な事例から学習する。犬を識別するには数万枚の犬の画像を要し、文章を作成できるようになるには数億の文を読む。身体を持たないため、文字や画像、数値の形になったものからのみ学習する。
家庭のタブレットのAIに「来週の遠足のしおりを作って」と依頼すると、数秒で、持ち物や注意事項の文が整った形で出力される。しかし、昨年の日付のまま記されていたり、行き先の名称が誤っていたりすることがある。AIは、だれと行くのかも、何を楽しみにしているのかも知らない。依頼された形式の文章を、読んだ大量の文章の形式に合わせて生成しているのである。
目的を自ら定めるのか、与えられた目的に従うのか。人間とAIは、この一点で異なる。
課題
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